安心して過ごせる日常を取り戻すために

会長

七尾市医師会会長 北村 勝

この度、2024(R6).5.27を以て、第18代七尾市医師会の会長に就任することとなりました。

医師会としての課題は、第一に能登半島地震の対応にあります。

今回の地震は、2024.1.1 元旦の夕刻、家族が一番のんびりと過ごしている時間帯に襲った激しい災害であり、七尾市・中能登町においても大きな被害が出ました。この余波は今も持続しています。この非常時に会長職を引き受けることになり身が引き締まる思いです。

大規模災害では、状況は日ごと、時間ごとに変化していきます。しかし、今回の地震ではそのスピードはかなり遅いように感じました。電気は比較的早く復旧しましたが、道路や鉄道、水道などのインフラが極めて脆弱で、復旧に予想外の時間を要したものと思われます。

このような状況下で、DMAT(災害派遣医療チーム)、JMAT(日本医師会災害医療チーム)、DPAT(災害派遣精神医療チーム)、DWAT(災害派遣福祉チーム)、DICT(災害時感染制御支援チーム)、DHEAT(災害時健康危機管理支援チーム)、日赤救護班、災害支援ナース、各地のボランティア等、ALL JAPANで能登を支援していただいたことは誠にありがたく、感謝の念に堪えません。重ね重ねお礼申し上げます。

能登は復旧を開始しています。能登は必ず復興します。七尾市医師会も全力で協力していきたいと思っています。どうかご支援の程、よろしくお願いいたします。

第二に七尾看護専門学校存続の問題です。本校は能登で唯一の医師会立の学校ですが、少子化の影響で入学生が集まりにくくなっており、近年は定員割れが続いています。建物の経年変化に加え、地震被害も発生しました。現在は、専門委員会で会員の先生方のご意見をいただきながら協議を進めています。

今回の地震で能登北部の医療機関で大量の看護師が退職したとの報道がありました。能登地区全体での看護師確保という観点からも本校の必要性が増していると感じます。そのためにも看護の灯を消さずに今後も学校を維持していければと思っています。

第三に新型コロナウイルス感染がまだ継続していることです。昨年、第5類感染症に分類されたとはいえ、健康、生活、仕事面で影響があり、入院を要する場合もあります。医師全員が協力してワクチン接種や二次感染防止、拡大阻止に邁進していきたいと思います。

昨今、オンライン会議が増えてきました。感染予防や移動時間短縮には役に立ちますが、医師会としての団結、連携をより深めるためにも、近い将来、会員が一堂に会する場を設けたいと思っています。

当地域には2つの総合病院があるほか、中規模の病院から開業医まで医療、介護、福祉の連携はとれています。七尾市は自治体の中で住みたい街として上位にランクされたこともあります。今回の災害でダメージを受けましたが、努力して回復していきたいと思います。よろしくお願いいたします。